第1章:視聴率?何それ食べられるの?
6.だからレガッタの平均視聴率って3.6%~7.2%の間にある
統計的問題の解決の際の典型的な考え方っていうのは、毎度おなじみ下の図のとおりってことである。
統計学ってやつは不確実性をともなっている標本に基づいて、帰納的に推論することで母集団に関する知見を得ようとするやり口なのだ。即ち、手元に得られた1組の個々の具体的事実に基づいて、興味ある母集団の特性値に関わる一般的な命題を抽出しようとする。演繹じゃないってわけで、したがって100%正しい情報を導き出すというわけにはいかないので誤りを避ける事がそもそもできないシステムになっている。
でもね、どの程度の割合で誤りが起こるのか、すなわち、不確実性の度合いについて知識を導入することにより、真に有用な知見が得られるのだ。つまり、9割5分は確からしいんだけど、レガッタの平均視聴率って3.6%~7.2%の間にあったんだってさ! と堂々と言えるようになる。いや、レガッタだけに言える話じゃなくてその範囲は広いんだけれども。
(2009年8月2日更新 ver1.0)
解説