問題解決能力と問題解決誘導能力 窓野総研 第106回
今回は、ケータイの電話帳機能に関する、ちょっとした問題から、色々と思ったことを書く回になる。どちらかというと、「~をやってみたときのメモ書き」に近い回にはなるんだけれども、そこに思ったことをプラスして書く感じですね。ってことで、スタート。
1.
ここにAさんと、Bさんがいるとする。
Bさんがちょっと困っているようなので、Aさんが尋ねてみると、どうやら、ケータイでAさんに電話を掛けようと考えた場合に、電話帳から選択するのに時間がかかるとのこと。
理由は、その名前が頭文字が、例えば「窓野」とすれば「ま」に該当する人がワンサカいるからのようだ。ちなみに、Bさんのケータイの機種はSH-06B。いわゆるガラケーである。
つまるところ、Bさんは、電話帳で、速やかにAさんの名前を出せるようにしたいようだ。
2.
そこで、Aさんは、何か特別なグループを作って分けたらいいじゃない?と提案してみた。しかし、どうもピンと来ていない様子。
どうやら、Bさんは、そもそも登録の際にグループというものを使用していない上、電話帳も50音順でのリストしか使っていない模様。
3.
仕方がないので、じゃあ、名前登録のときに、「あ」の欄にその人が来るように、先の例でいえば「あ窓野」とでも入れればいいんじゃない?と、Aさんは提案してみた。
この提案は、Bさんにとっては、しっくりきたようだ。「あ」の欄には特に多くの登録はないようで、問題解決しそうな感じであった。
4.
しばらくすると、BさんはAさんに、Aさんの電話番号って○○でよかったよね?と聞いてきた。何で今更聞いてくるのかと思ったら、どうやら、新規登録で、ハナっから登録し直そうとしているようだ。
そこで、Aさんは提案した。いやいや、今登録している分の、名前を変更すればいいじゃない?ってことで、Bさんは、Aさんの提案に従って登録の編集を行ったようだった。
5.
数日後、Aさんは、Bさんに登録どうなった?と聞いてみた。すると、順番が変わらないとのこと。つまり「あ窓野」にしても、「ま」の欄にAさんの名前が来るというのだ。
6.
ここで、Aさんはしまった…と思った。新規登録なら、名前登録と同時にふりがなも設定されるけれど、登録編集だと、名前自体を弄っても、ふりがなとは連動しないのだ。そして、50音順は、ふりがなベースになっているということを、すっかり忘れていたのだ。
ということで、Aさんは、ふりがなの件を話して、結果、Bさんはふりがなを修正して、無事に目的を果たしましたとさ。
上記の話は多少、年齢の離れた人間同士のやり取り、例えば、祖父母と孫の関係や、親子の関係において、まあまあ有り得る話かもしれない。
というのは、年齢の近いもの同士なら、グループ分けしろよで即、終了する話である。100歩譲って、登録編集で名前を変更して上手くいかなかったとしても、そこまで来たなら、取説読んで自分で解決するか、Aさんの提案を破棄して、新規登録でやればいいじゃないという話だもの。
さて、上のケータイトラブル(のようなもの)ついて、大まかに流れをとらえるとこうなる。
- 相手が抱えている問題を理解した。
- 思いつく中で、早期に解決できる案を提示するも、相手には伝わらなかった。
- 相手の特性を考えつつ、次善の案を提示して、受け入れられた。
- 解決できる方法を使っている相手に、もう少し近道できる案を提示して受け入れられた。
- 近道の策に問題が生じて、相手が問題解決できなかった。
- その問題の解決策を提示して、結果、相手の問題が解決した。
これらのことから何が言えるのだろうか。
自分自身が早期解決策と思っているものであっても、他者にとってはそうとは限らないので、別の策も用意しておいた方がよいということ。
そして、そのままで行けば遠回りであっても相手が問題解決できる場合には、別の方法へ誘導しない方がいいということ。
自分自身で問題解決する能力と、相手に問題を解決させる誘導能力というのは、別能力なんだねえということが、このことから言えそうだよねえというのが、今回の結論なのでした。
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