今のうちに選挙ではむしろ若者を大事にしておきましょうの回 窓野総研 第101回
選挙が近づくと毎回言われるのは、いわゆる「若者が選挙に行かないから、世の中が年寄り優先になる」論である。その論に対して、「そもそも若者全員で年寄りの人口が多いだろうが、そもそも年寄り優先になるに決まってるだろう」論は、だいたいセットで出てくる。
これは、どういうことかというと、有権者が全員投票したとしても、その有権者の年齢の中間値が50歳ぐらいなんだから、50代以上の人間の意見の方を採用した方が勝つに決まってるだろう、このやろーという話である。
図1.年齢別人口データと有権者の真ん中を探そうの図
たとえば、平成23年の年齢別人口データ(参考:統計局ホームページ/日本の統計-第2章 人口・世帯)を見ると、20歳以上の人間を横一列にならべてみて、ちょうど、真ん中のいる人の年齢をみると、52歳の人がちょうど真ん中にきちゃうということになる。
二者択一の事象に対して、民主主義的なやり方で決定するとなると、過半数をとった方が決定になるわけだ。となってくると、52歳から100歳以上のニーズに合った政策をとれば、勝てるかもという話にはなる。
でも、この考え方だと、20歳~52歳の人のニーズに合った政策をとる人も出てもいいだろうという話になる。そういう風にならないのは、やっぱり若者が選挙に行かないからだというツッコミは入ってしかるべきポイントではある。
でも、私は「人口が多いから論」の方が好きなので、こういうせいなんじゃないかなあという案を出しておく。
20歳~52歳のニーズに合わせる色々な折衷案を出すよりは、若年層がどうなろうと「今の」定年退職後の暮らしを安定させるという政策を1個思いついた方が、コストパフォーマンスが高い。
その1個の政策で、現状の定年退職した層の大部分をフォローできるんだから、まさに、1粒で2度おいしい以上のポイントになる。
そりゃ、52歳から100歳以上の味方になった方が、20歳~52歳の味方になるより楽だよねーって話である。
ここまではもしかしたら、いろんな人が言っている話なのかもしれない。
じゃあ、選挙において若者優位に立つには、どうすりゃいいのかってことで、暗黒臭漂う次のグラフへ。
図2.有権者の真ん中を40歳にしてみようの図
何歳ぐらいのことを若者と呼んでいるのかが、私にはわからんのだけれど、とりあえず有権者の真ん中を40歳にしてみたという、ただそれだけの話である。60歳以上の人たちがなんらかの事情でいなくなったか、選挙権がなくなってしまったかという状況である。こうすることで、やっと、過半数の中心が40歳になるのだ。
ちなみに、過半数の中心を35歳にしようとすると、48歳以上の人たちがなんらかの事情で(以下略)
図3.有権者の真ん中を35歳にしてみようの図
つまり、定年に足を突っ込もうとしている人たちを軒並み、ピー(自主規制)しちゃうことで、ようやく、40歳が真ん中になるという話になる。
ってことで、実力行使される前に、60歳以上の人は、自分の身を守るためにも40歳以下の人を大事にしてあげてください。
そんなことをするわけないだろうとタカをくくっていても、それは、今の環境がそこまで切迫していないからということで担保されるものなので、今後、本当に生存権を脅かされること状況に追い込むようなことをしちゃうと、どうなるかわかりませんぞと。
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